独自調査で分かった懸念点を踏まえ、子どもが考えながら使うように設計。1日の質問数には回数制限を設けている。AIにも長文にならないよう文字数制限を設けるとともに、小学生にも分かりやすい、思考を促すような返答をするという。子どもが好奇心のままに単純な質問を繰り返したり、単純に答えを教えたりするのではなく、子ども自身の思考を促すようにしている。
安心・安全に配慮した設計として、利用前に保護者のメールアドレスでの認証を行ったうえで、親子で一緒に利用する形にもしている。
米マイクロソフト「Azure OpenAI Service」をベースに、入力内容を再学習に利用しない方式で提供。このため、子ども自身が入力した内容が、他の子どもの質問に対する回答に使われることはない。目的外の利用にはAIが回答しない設計で、公序良俗に反する内容の質問に対しては警告メッセージを表示して質問をやめるようにした。
利用時には、始めに有識者監修の生成AIの上手な使い方(情報リテラシー)について学んだ上で、自由研究のテーマについてAIに質問できるようにも配慮している。
最初に自由研究に関して子どもの興味を聞き出す定型質問から始まるため、子どもが他の話題ではなく、自由研究についてのやりとりに集中できるようにする。同サービスの活用ポイントは「テーマ決め」「観点・進め方アドバイス」の2つとし、AIとのやりとりを通じ子ども自身の興味関心に気づき、具体的な自由研究の進め方をイメージできるよう準備をサポートする。
行動科学などを専門とする広島工業大学の安藤明伸教授は「自分のアイデアを広げたり、意味のある回答を引き出したりするために、自分の頭の中で『何を言語化したいのか』『どう聞けば自分が求めるものが得られるのか』を考える過程を繰り返すことで、自分自身をメタ認知することにもつながる」と指摘。「曖昧(あいまい)な質問には曖昧な回答しか返ってこない設計のため、Web検索なども合わせてもう少し知識を得て再度質問する、という繰り返しも学びにつながる。新たなリテラシー獲得になるのではないか」との見解を示している。
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