セブン「チョコミントサンド」に反響 “チョコミン党”以外も開拓北見ハッカ通商とコラボ(1/2 ページ)

» 2023年08月30日 06時30分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 セブン-イレブン・ジャパンが7月末に「チョコミントサンド」(356円)を北海道の一部地域を対象に期間限定で発売し、注目を集めた。同社によると、売り上げは好調。チョコミントが大好きな「チョコミン党」をメインターゲットにしたが、新たなファン層の獲得にも寄与しているという。すでに販売期間は終了しているが、商品化の経緯と販売して分かった収穫を聞いた。

photo セブンが販売した「チョコミントサンド」(出典:北見ハッカ通商公式Xアカウントの投稿

北見・釧路エリアの136店舗で販売

 チョコミントサンドは、ハッカ商品を手掛ける地元企業の北見ハッカ通商(北海道北見市)とコラボして商品化した。販売エリアは北見・釧路エリアの136店舗。地域限定で販売していた「ホイップだけサンド」のホイップクリームに、北見ハッカが扱う北見産「和ハッカ」を使用し、チョコミントクリームにしたような見た目だ。

 「詳細はお応えできないが、ハッカの爽快感とチョコフレークの食感が楽しめるチョコミントホイップを挟んだサンドイッチ」。セブンの担当者は商品をこう説明する。

(関連記事:「生クリーム好き歓喜」──セブンイレブンの“具なし”「ホイップだけサンド」に反響 商品化の狙いは? 広報に聞いた

photo 一部地域限定で販売していた「ホイップだけサンド」

 北見ハッカ通商はハッカ商品専門メーカーとして1984年に創業した。北見市は戦前、ハッカ(薄荷)の世界シェア7割を誇る世界一の生産地だったものの、戦後は外国産ハッカの輸入自由化や人件費が高騰。その影響で、ホクレン(当時の北海道信用購買販売組合)が運営していたハッカ精製工場が閉鎖となり、その工場を引き継ぐ形で創業した経緯がある。

 現在、主力商品「ハッカ油」を中心に、保湿クリームなどのコスメ、「ハッカ飴」などの食品に至るまでさまざまな派生商品を展開している。

photo ハッカ油
photo ハッカ飴(ともに出典:北見ハッカ通商公式Webサイト)

拡大傾向の「チョコミント」市場

 こうした商品の数々にセブン側が注目。地産地消や地域の活性化を目的に、商品化に至った。チョコミントは「チョコミン党」という愛好家が存在するほど、特定の層から熱烈な支持を受けているケースが多い。近年は各社がチョコミント商品を相次いで発売しており、森永製菓が2020年5月に発表した調査結果によると、19年のチョコミント市場は前年比128%増で成長。20〜30代女性を中心に市場が拡大しているという。

 数あるチョコミント商品の中でもアイス市場での伸びが顕著だ。森永乳業は18年5月に、チョコミント味アイスの販売規模が12〜17年で倍増したとする調査結果を発表している。

 実際、「サーティーワンアイスクリーム」を運営するB-Rサーティワンアイスクリームが実施した「フレーバー総選挙」では、22年に「チョコレートミント」が人気1位に。翌23年の調査でも同2位だった。

 なお、同社のチョコレートミントは約50年の歴史があり、「日本のチョコミントのパイオニア」とも呼ばれるロングセラー商品として知られている。

photo 「チョコレートミント」(出典:公式Webサイト)
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.