「餃子の王将」絶好調 過去最高の店舗売上を達成した、納得の理由(1/2 ページ)

» 2023年09月15日 07時30分 公開
[渡辺広明ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 王将フードサービスが展開する「餃子の王将」の勢いが止まらない。7月、8月と2カ月連続で、1カ月当たりの店舗売上高が過去最高を更新。値上げに伴う客単価増だけでなく、さまざまな販促キャンペーンが功を奏し、客数が増えたことも売り上げに貢献した。

 消費経済アナリストの渡辺広明氏は「昨今の物価高によって消費者の心理が変化した結果、餃子の王将に消費者が集まったのではないでしょうか」と分析する。消費者の心理はどのように変化したのだろうか。そして、餃子の王将はなぜ今、脚光を浴びているのか。

王将

消費者の心理 どう変化した?

 昨今多くの外食企業は物価高の影響で値上げを余儀なくされている。値上げの影響で客数が減ってしまう企業も多い中、餃子の王将の8月の客数は、前年同月比108.8%と好調に推移した。

 「最近は、値上げはやむを得ないと思っている消費者がほとんどです。そんな中、値上げを受け入れるなら、そもそも値段の安いところに行きたいという心理が強く働き、餃子の王将はその顧客層をうまく拾っているのではないかと考えています。

 メニュー数が少ない外食では、メイン商品の値上げが消費者が購買する際の重荷になりやすい傾向があります。しかし、餃子の王将は豊富なメニュー数を誇るため、そういった心理を和らげる効果があるかもしれません」(渡辺氏)

王将 2023年 8月 月次売上高(速報版)

 他にも、多岐にわたる販促施策が成功した。暑い時期に合わせて実施した「生ビール(中)割引券プレゼントキャンペーン」では、全店の生ビール(中)の販売数が月間で約93.7万杯と過去にない売れ行きを見せたという。

 また、テークアウトの生餃子の購入数に応じて、店舗で使用している小皿または餃子皿をプレゼントするキャンペーンを実施。餃子の販売数は前年を大きく上回る実績となり、テークアウト全体の売り上げも引き続き高水準を維持したという。

王将 プレスリリースより
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.