「ご予算はいくらくらいでしょうか?」「お決めになるのはどなたでしょうか?」「現在の課題をお教えください」――このように、お客さまに矢継ぎ早に質問をぶつけていないでしょうか?
まるで、警察官が職務質問をするときのようで、尋問ヒアリングといっても過言ではありません。ですが、これを行っている営業スタッフは多く「質問に全て答えてくれたということは、見込みがある!」と勘違いしてしまうことも。実際は、お客さまはあまり良い気をしておらず、疎遠になっていくケースは多々あります。
フリートークを行うときは、以下の流れを意識してください。
例:「本日、お時間をいただけたということは、当社が展開する〇〇のようなサービス(商品)について何かリサーチなどされていることかと思いますが、実際はいかがですか?」
例:「最近、〇〇の調子が悪くて、それでお話を聞きたいと思いました」
例:「そうだったんですね。お付き合いの業者にすぐに連絡なさらなかったんですか?」
例:「懇意にしていた担当者が辞めてしまって、後任とあまり意思疎通がうまく行っていないんですよ」
例:「そうだったんですね。担当を変えるようにお願いするとかされなかったんですか?」
例:「悪い人ではないので、それで会社から怒られたりするとかわいそうだと思いまして……」
以下、5と6を繰り返し。
いかがでしょうか? 表面的なお困りごとではなく、課題を掘り下げ、一緒に共有していく流れがイメージできるかと思います。
そして「もうこれ以上理由を聞いても仕方がないな」という返答が返ってきたら、それがお客さまの真相ニーズです。そこで「当社であれば、このようにお力になれますが……」とサービス提案に入ります。そうすると、ここまでニーズを共有してくれた後ですから、お客さまも真剣にこちらの話を聞いてくれます。
ここまでに紹介したようなフリートークを行った結果、たどり着いた真相ニーズが営業につながらないこともあります。そんなときは「そこが一番のお困りのポイントなんですね。ちょっとその点は当社ではお力になれないのですが、〇〇を提供している会社であれば、解決してくれると思いますよ」と言ってあげましょう。売り上げにはなりませんが、お客さまからは絶大な信頼を勝ち得ると思います。
また、真相ニーズに対して提案できたとしても、予算取りなどの兼ね合いですぐに成約に至らないケースもあります。そのようなときは、このように伝えて商談を締めてください。
「本日はいろいろとお話をさせていただきまして、誠にありがとうございました。そうしましたら、また1カ月後くらいにその後の状況がどうなったか伺うために、ご連絡しても良いですか?」
2人は真相ニーズを共有した間柄です。Noを言われる可能性は極めて低いでしょう。あとは、期日が来たら実際に連絡をするのみです。
このように、営業資料の構成とフリートークのやり方を変えるだけで、初回MTGから次につながる確率はグッと上げられるはずです。ぜひ試してみてください。
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