東京モノレールは京急電鉄やリムジンバスとの競争に対抗するために、2002年にJR東日本の傘下に入った。日立系列が持っていた株も全日空や日本航空に売却。日本航空は経営危機の際に、持ち株をJR東日本に売却した。
JR東日本の京浜東北線は、昼間時間帯に快速が浜松町を通過していたが、これを停車させることで利便性が向上する。モノレール浜松町駅を改修し、Suicaの導入やホームドアの設置、ワンマン運転の実施など経営改善にも取り組んだ。JR東日本が株式を取得する前に列車種別を複数にし、途中駅で追い抜きができるようにした。
その後、東京モノレールは、浜松町駅の拡張などを計画している。過去には、新橋駅や東京駅への延伸も計画したことがある。
30年度予定、整備完了後の浜松町駅周辺イメージパース(出典:プレスリリース)
一方で、JR東日本は羽田空港アクセス線の計画を発表し、2031年度に開業を予定している。同じJR東日本グループ内で、羽田空港アクセスと東京モノレールが競合することになるのだ。
羽田空港アクセス線のルート計画(出典:JR東日本)
ただ、このような競合路線をJR東日本がつくり、一方でモノレールの都心方面への延伸計画がときどき出てくる状況は、羽田空港の利用が活発であることが背景にあるのではないか。京急電鉄も羽田空港第1、第2ターミナル駅の利便性を向上させようと、この駅に引き上げ線をつくる計画がある。
東京モノレールの新橋、東京方面への延伸が難しい理由には、土地確保の問題があると考えられる。と同時に、使用されていない貨物線の大汐線を改良して都心部を何とかするというJR東日本の羽田空港アクセス線の計画もまた、鉄道用地の確保が難しいことを示しているのではないだろうか。
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