なぜ東京モノレールは「浜松町」発なの? 東京や新橋ではない理由経済の「雑学」(1/4 ページ)

» 2023年09月21日 08時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

 羽田空港に向かう人の多くは、東京モノレールもしくは京急電鉄を使用する。この2つの鉄道ルート以外では、リムジンバスを使うことが多い。

 東京モノレールの始発駅は、モノレール浜松町駅である。同駅に接続しているのは、JRの山手線と京浜東北線しかない。都営浅草線と都営大江戸線の大門駅も東京モノレールに接続するものの、徒歩で少し距離がある。

 おそらく、東京モノレールを使用して羽田空港に行こうとする人の多くは、JRを使用していると考えられる。どちらかといえば、東京駅方面から来る人が多いのではないだろうか。

東京モノレールの始発駅は「モノレール浜松町駅」(写真提供:ゲッティイメージズ)

東京モノレールが羽田空港アクセス鉄道をほぼ独占していた時代

 かつて羽田空港へアクセスする鉄道は、東京モノレールしかなかった。京急電鉄が羽田空港アクセスに名乗りを上げたのは、羽田空港が沖合に展開することになって、1993年4月に羽田駅(現在の天空橋駅)まで延伸、バスを介して空港アクセスが可能になったときからだ。

 現在の羽田空港ターミナルができたのは1993年9月。京急がこのターミナルに乗り入れたのは1998年11月である。

かつて羽田空港へアクセスする鉄道は、東京モノレールしかなかった(写真提供:ゲッティイメージズ)

 成田空港が1978年5月に開港し、国際線のほとんどが成田に移転するまで、羽田は国際線/国内線ともに使用される空港だった。現在よりも飛行機を使用する人が少ない時代だったことを考慮しても、モノレールだけで大半の空港アクセスを担える時代があった。

 その後、国内線需要が急増し、羽田空港は限界に達しつつあった。それゆえに現在のように沖合に空港を展開することになった。同時に空港アクセスが足りないということで、京急にお声がかかったという状況だ。

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