横付けされたハイヤーに乗り換えた参加者は、特別な体験を満喫するために各拠点を巡る。富山のPoCでは、閉館後の富山美術館を貸し切ったり、地酒と食を楽しんだり、といった体験が用意された。ツアーの復路も同じような形で都内のホテルに帰る。
富山県では行政の積極的な支援があったそうだ。コロナ禍で経済が疲弊した地域の中には、インバウンドによる経済効果を期待する自治体も多いであろう。その中には、一般のインバウンドに加え、このような富裕層の誘致に積極的なところがあっても不思議ではない。
実際、このツアー企画の記事が新聞の一面に掲載されると「複数の自治体や超有名ホテルなどから詳しい内容に対する問い合わせがありました」(宮崎氏)と明かす。富山以外にも、長野県、山口県(「獺祭」を絡めたツアー)、アートで有名な直島などでトライアルを実施、もしくは実現に向けて調整を行っているそうだ。
例えば、長野県の白馬では、信州まつもと空港からヘリコプターとハイヤーによる移動と、スキーを組み合わせた内容を予定しているという。「通常営業のリフトが稼働する前に1組限定でパウダースノーのゲレンデを独占する体験を調整中です」(宮崎氏)というように、特別感に満ちた演出を企画している。
ツアーの概要はご理解いただけただろう。その一方で、メーカーである本田技研工業が、今回のようなビジネスに参画する意義はどこにあるのか。
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