オープン直後にほぼ満室と、滑り出しは順調といえるかもしれない。だが、入居者が本当にコンセプトどおりに実践するのか、心地よいコミュニティーが形成されていくのか、高い稼働率を保てるのかなど、長期的に取り組むべきことが多くある。
それらをサポートするのが、コミュニティマネージャーとRA(レジデントアシスタント)の存在だと荒川氏は話した。
「コミュニティマネージャーは1名おり、入居者と会員からのイベント開催にまつわる相談を受け付けています。アイデア出し、告知や集客のサポートなど『やりたいこと』を後押しする存在です。常駐はしていません。
RAは3名いて、いずれも入居者でコクヨの社員です。入居者間のトラブルなどがあった際に、フラットな視点で事実を伝えてもらえたらなと。クレームや困り事は運営を委託している企業が対応する体制ではあるのですが、当事者の主張が食い違うこともありえるので、そういったときにアシストしてもらうような役割です」
このようにして入居者や会員の心地よい暮らしや自己実現をサポートしながら、フラッツのブランドを形成していくことが現状の展望だという。
「ブランドを確立させるために、コンセプトを曲げてはいけないと思います。スタジオ利用に制限を加えるつもりはないのですが、単純に稼働率を上げるための取り組みはしたくないなと。地域の公民館などでまかなえるようなことではなく、コンセプトに沿ってできることをアピールしたいです。
運営主催のイベントでは、ゲストも内容もこだわります。そうやって世界観ができてくれば、コンセプトに共感する人たちが自然と集まる住宅になるだろうと思っています」
賃貸住宅事業では稼働率が第一の指標になることが多いかもしれないが、フラッツトゴシはそれだけを追いかけず、ブランドの形成にも注力する。もちろん継続するには稼働率の向上も重要であり、そこは難しさといえる。
いずれは拠点展開も見据えているという同事業。快適な住空間や挑戦者が集うコミュニティーに加え、価値的なイベント開催が増えれば、ここに住みたいと思う人が増えるはず。スタジオ利用をどう活性化させるかが成功のポイントになる気がした。
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