近年人事領域では、退職後の社員を指す「アルムナイ」に注目が集まっている。かつてはネガティブな印象もあった離職者・退職者だが、現在は人材獲得競争の激化を背景に「かつて一緒に働いた仲間をもう一度戦力として迎え入れよう」という意識が高まっている。
リクルート(東京都千代田区)は、企業で働く人事担当者を対象に、人材マネジメントに関するアンケート調査を実施した。その結果、半数以上の企業がアルムナイ採用を行っていることが分かった。元社員の再雇用にはどんな効果があるのだろうか。
現在、一度退職した従業員を再雇用している企業は55.5%と、半数以上に上った。
企業の人事担当者に「現在実施している採用手法」を尋ねたところ「ハローワーク」(51.1%)や「自社採用サイト」(46.3%)、「人材紹介」(41.2%)を活用している企業が目立った。
しかし1割強の企業では、現在の勤務先をはじめとする離職後の情報を管理する「アルムナイネットワーク」(12.3%)から採用していることが分かった。
この 1〜2年の人材採用の状況を見ると、人員数の観点で「十分に採用できている」「ある程度採用できている」と答えた割合は、アルムナイ採用を行っている企業が42.9%、行っていない企業が31.6%と11.3ポイントの差があることが分かった。
また、求める人材要件に合致する人を採用できているかという観点でも「十分に採用できている」「ある程度採用できている」の割合は、アルムナイ採用を行っている企業が34.5%、行っていない企業が24.6%と9.9ポイントの差が出た。アルムナイネットワークを通じた採用を行っている企業の方が、採用がうまくいっている傾向にある。
同社はその要因として、元社員は商流や社風のマッチ度が高くなりやすい点、仕事の進め方や社内の人間関係を理解していることから、早期に活躍するイメージを持ちやすい点などが考えられるとしている。
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