電気代高騰や猛暑を背景に企業が「ひんやりグッズ」に商機を見いだしている。ヒットしている商品はどのようにして開発されたのか? 売り場のトレンドはどうなっているのか? 消費者のトレンドや開発の舞台裏に迫る
9月1日の気象庁の発表によると、6〜8月の平均気温は例年より1.76度高く、1898年に統計を開始した125年間のうちで最も暑い夏となった。これまで最も暑かったのは2010年(例年よりプラス1.08度)で、これと比較しても今年の暑さが尋常ではなかったことが分かる。
猛暑を少しでも快適に過ごそうと、暑さ対策グッズは多様化が進んでいる。ネッククーラーや手持ち扇風機などが新しい定番商品になる中、着るタイプの暑さ対策グッズにも注目が集まっている。
ワークマンは17年から、バッテリー・ファンを使用し服の中に風を送り込む「ファンウェアシリーズ」を展開。気化熱を利用して涼しさを感じる仕組みで、長袖、半袖、ベスト、パンツなど約15種類のアイテムを展開している。現在では、暑さが本格化する前の6月中旬から、ほとんどの店頭で扱う同社の定番アイテムへと成長した。
同社広報担当者によると、参入当時の17年はすでに、ファンウェア市場の競争は激化していたという。他社との大きな差別化ポイントが必要だと考えた同社は、デザインに着目。他社が作業服らしいデザインを投入する一方で、機能性はそのままに、日常やアウトドアでも着用できるオシャレなデザインを採用し、商品化した。
その結果、従来からの現場仕事での需要に加え、若い女性や主婦層などから、黒や白などシンプルなデザインが多かった日焼け防止用のウェアに代わり「オシャレに着ることができる」と人気を獲得。アウトドアやキャンプ、フェス、ガーデニング、ゴルフ、スポーツ観戦など利用場面も多様化しているという。
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