近年需要が高まるIT人材。ミドル層以上の転職に関する疑問を、Q&A形式で回答します。
Q: 現在46歳で、IT関係の企業にエンジニアとして勤めています。転職を検討しているのですが、年齢的に厳しいでしょうか?
A: 遅いということはありません。5年前であれば「ちょっと遅い」と回答していたと思います。10年前なら「厳しい」という話をしていたでしょう。それくらい、人材市場は急激に変化しています。
10年前までは「35歳転職限界説」とよく言われていました。ところが昨今、IT人材に限らず労働者の高齢化が進んでおり、そもそも若い層を採用する難易度が上がっています。
そうなると、ある程度経験を積んだ40代前半も採用ターゲットに含むようになり、今では40代後半、ひいては50代の採用実績も増えてきています。実際に転職支援サービス「リクルートエージェント」のデータによると、45歳以上におけるITエンジニアの転職決定者数は、この5年で10倍に増加しています。
この背景には、1)多様な業種でDXで進んだことによる、ITエンジニア職のニーズが増加していること、2)採用難易度の高いITエンジニア職を採用する方法の一つとして、企業がターゲットを拡大していること、3)45歳以上のITエンジニア職が持つスキルや経験の重要性が再認識されたことが要因として挙げられます。
「35歳転職限界説」がかつて主流だった理由の一つとして、年齢を重ねると新しい技術へ追い付いていくことが難しいから、という採用側の先入観がありました。しかし実際のところ、若い人であってもキャッチアップがゆっくりな人もいるわけですし、年齢によって決めつけられないのではないかという認識が広まっています。
加えて、ミドル・シニア層でも積極的に学び続けている人が増加していることも背景にあります。「50代になったらあとは、定年まで今までの経験の延長線で仕事できてしまう」という時代ではなくなったからでしょう。40代、50代でも積極的にリスキリングに取り組んでいる人が増えており、そういった方はやはり採用側のニーズも高いといえます。
現場で手を動かすこともでき、システム障害などトラブルへの対応経験もあるようなミドル・シニア層の方は、今や引く手あまたと言ってよいでしょう。
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