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優秀な部下、管理職になるのを拒否 どう説得する?Q&A Z世代部下のマネジメント法

» 2023年10月12日 10時30分 公開
[サトウナナミITmedia]

Q&A Z世代部下のマネジメント法

 マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。


Q: 仕事ができる部下に管理職を任せようと打診したら断られてしまいました。その部下は周りを見るのが得意で、管理職の適性がありそうなのですが「責任が重いのは嫌だ」と考えているようです。どうやって説得すればいいでしょうか?

photo 仕事ができるのに管理職をやりたがらない部下 どうやって説得する?(画像はイメージ、提供:写真AC)

管理職をイヤがる部下 どう説得すべきか

A: 管理職について一部の仕事しか見ておらず、「責任が重い」といった偏ったイメージを抱いている可能性も。まずは管理職を希望しない理由を聞いた上で、管理職の仕事の役割や魅力を丁寧に説明しましょう。

 近年、管理職になりたがらないメンバーが増加しているという現象は事実です。上司の仕事を見て「責任が重くて大変そうだ」「部下一人一人を尊重し、合わせていかなければならず大変そうだ」と感じるからかもしれません。また、部下の仕事を巻き取って長時間労働になっている上司の姿を目にすることも、この傾向を助長している可能性があります。

 こうした状況に対処する際に、頭ごなしに説得することは望ましくありません。まずは「管理職についてどのようなイメージを持っているのか」「なぜ管理職を志望しないのか」を確認しましょう。

 メンバーは管理職の仕事の一部しか見ておらず、全体像を把握していない可能性が高いです。管理職の仕事のイメージを聞くことで、例えば「責任が多い」「私生活と仕事の調整が難しい」「長時間労働が必要」といったイメージや管理職を避ける理由が出てくると思います。こうした理由を聞いた上で、管理職の役割や醍醐味(だいごみ)を丁寧に説明しましょう。

 確かに、管理職の仕事には大変な側面がありますが、同時に大きな裁量があり、会社の重要な情報がいち早く入ってくるなど、やりがいを感じる要素も存在します。部下としての経験と比較して、管理職としてどのような成長や楽しみがあるのかを伝えることが重要です。

 また、上司自身の働き方が、部下に影響を与えている可能性もあります。長時間労働となってしまっている場合は、部下への権限委譲などの改善策を検討し、対策に取り組むことも大切です。

 このように、メンバーが管理職に就く意欲を高めるには、懸念や不安に耳を傾け、管理職の実際の姿を理解させることが肝要となります。その上で管理職の仕事のポジティブな側面や成長の機会を伝え、志望するきっかけを提供していきましょう。

話を聞いた人:荒金 泰史(あらがね・やすし)

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リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員 

入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。

書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)

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