マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。
Q: 普段接しているときは特に問題なさそうに見えるのですが、会社の従業員サーベイの結果で「要注意」と出たメンバーがいます。もしかして裏表があるのでしょうか? マネジャーとしてどう接するべきか悩んでいます。
A: 裏表があるわけでなく、仕事の負担感について上司と部下間に認識のズレがあった可能性や、部下本人が上司の前で不満や悩みをうまく言語化できていないことが考えられます。「そういうこともある」と割り切った上で、あらためて部下と対話しましょう。
要因はいくつか考えられます。1つは上司の予想以上に部下本人が負担を感じていたというケースです。
負担と負担感を切り分けて考えましょう。実際にどれほどの負担が部下にかかっていたのか、そして、部下がその負担をどれほど感じていたのかをまずは確認します。上司からすれば些細に見えることでも、部下にとっては非常に大変なこともあるかもしれません。まずは、部下の気持ちに共感を示すことが必要です。
2つ目に、上司の前では遠慮して言葉を飲み込んでしまうなど、不満や悩みを言語化できていないケースも考えられます。上司から「何か問題はないか?」と問われて「特に問題はありません」と答えてしまい、本人も気付かないうちに不満が積み重なっていくことで、サーベイ結果として表面化するということです。
「不満をその場ですぐに言わない方が悪い」と思ってしまいがちですが、部下本人が意図的にそうしているわけではないので「そういうこともある」と割り切った方がいいでしょう。部下本人が言語化できたタイミングで、まずは対話することが重要です。
実際、何に対して不満や悩みがあるのか、明確に口にできる人はそれほど多くありません。言葉にできるスピード、また、その場で口に出すことができるかどうかは、個人によって異なります。
一方で、上司側のコミュニケーションの方法として、部下の課題を予想しながら話すことは重要です。仕事が円滑に進んでいなさそうな場面や、苦労していそうな場面を見つけた際に「この部分は問題なさそうか?」と具体的に聞いてみると「実は……」と話が出てくることもあるでしょう。
また、1人の上司だけではきちんとその部下のことを見られていない可能性もあります。人事など複数の目線で見る機会を設けるのも良いでしょう。
リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員
入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。
書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)
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