ソフトバンクグループ(SBG)の後藤芳光CFOは11月9日、都内で開いた決算説明会で、米WeWorkの経営破綻について「大変残念。この結果を真摯に受け止めて、今後の投資活動に生かしていかなければいけない」と所感を述べた。
米WeWorkは11月6日、米連邦破産法第11条(チャプター11、日本の民事再生法にあたる)の適用を米裁判所に申請した。
後藤CFOは「投資の意思決定にどういう過ちがあったのか。改善していく点はどういうことなのかを考えていく。大変大きな宿題をもらったと思います」と述べた。一方で業績への影響については「保守的に評価をしてきているので、現時点でさらなる大きな会計上の変化はない」と話す。
WeWorkに出資した孫正義会長兼社長の経営責任を問われると、以下のようにコメントした。
「CEOとしては、全ての経営に責任を持つという考え方はもちろんあり、WeWorkの件は彼(孫氏)も意思決定に入っているが、これは組織として認識すべきテーマだと思います。むしろこの経験を生かして、今後のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の成功に向けて全力を尽くしていくことが重要だと考えています。
また彼(孫氏)がSBG全体の価値向上のために新機軸を打ち出していくこと、それに徹底的に取り組んでもらうことの方が、われわれのステークホルダーにとって重要な考え方だと理解しています」
孫氏の「目利き力」を疑う声についてのコメントを求められると「SVFでの投資クライテリア(評価基準)の見直しなどを行い、一面的な評価のみで投資が行われないような仕組みを、ブラッシュアップしている状況」だと話し、投資基準を改善している点を強調した。
WeWorkについては同社の日本法人「WeWork Japan」が11月7日、「申請は米国とカナダを対象としたもので、日本は破産申請の対象外」とコメント。国内40カ所にある拠点は高い占有率を示していて、今後も変わらず営業を継続する方針だとした。日本法人の社員や取引先、不動産パートナーへの影響もないとしている。
ITmedia ビジネスオンラインが6月に実施したインタビュー(関連記事を参照)でも、同社のジョニー・ユーCEOは、都心のオフィス回帰や料金設定の改革によって「入居のリクエストはかなり増えている」と話した。
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