……とここまで書いていて、疑問を感じたことがひとつある。先ほど紹介した2店舗はファストパスを導入したことで、外国人観光客が増えたそうだが、リピート率はどうなのか。海外から日本に来ても、彼ら・彼女らはやがて帰国する。いわゆる“一見さん”ばかりなのに、なぜ海外からのお客がたくさんやって来るのか。
その謎を調べると、どうやらSNSの影響が大きいようである。海外から日本にやって来て、行列ができる店で食事をした。そのことをSNSにアップする。それを見た現地の人は「オレも日本に行く予定があるから、そのときにはこの店に行こう」といった流れが生まれているようだ。
というわけで、店側にとって外国人観光客は一見さんだからテキトーに……ではなく、一見さんでもきちんと接客して、おいしい料理を提供しなければいけない。いまのところ、この流れがうまく回っているようだ。
テーマパークなどさまざまな業界で“並ばない”文化が広がっている中で、飲食店の試みはどこまで受け入れられるのか。人気店の予約サービスを提供しているのはテーブルチェック社だけでなく、GMOインターネットグループのGMO OMAKASEでも展開しているので、じわじわ広がる可能性もある。(ちなみにサービスの内容を比べると、両社は大きく違う。これを説明すると長くなるので、また別の機会に)
数年後、「飲食店にも“ようやく”定着してきたなあ」といった声が聞こえてくるかもしれない。
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