マーケティング・シンカ論

「マーケティングは原点回帰している」 B2Bマーケの第一人者・庭山氏が語る、日本企業に欠かせない原理原則とは

» 2024年02月15日 10時00分 公開
[原田果林ITmedia]

 いま世界のB2Bマーケティングでは、MAツールをはじめとしたマーケティングテクノロジーが急速に進化し、ソリューションの数が激増。それに伴いマーケティング組織も変化している。しかし環境が変化する一方で、手法やフレームワークについては「原点回帰」が起こっているという。

 こうした最新動向と原点回帰について、B2Bマーケティングの第一人者である庭山一郎氏がITmedia主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO」(2月25日まで)で講演した。本記事ではその一部をお届けする。

テクノロジーと組織が“綾織り”に変化

 マーケティングテクノロジーのカオスマップを見てみると、2012年は350だったソリューションが、23年版では1万1000超まで増加。数はもちろん機能も高度化しており、大半がクラウドサービスのためアップデートや機能追加も早い。

 こうしたテクノロジーの発展を受けて、マーケティングを取り巻く組織も大きな変革期に来ていると庭山氏は説明する。

ALT シンフォニーマーケティング 代表取締役 庭山一郎氏

 「従来はデマンドセンターが案件を作り、セールスがクロージングするのが基本で、この2つの組織だけが連携していました。

 いま世界のスタンダードでは4つの組織が連携しています。デマンドセンターが案件を作り、インサイドセールスが案件を精査、確認し、セールスがクロージング、その後を引き取ってカスタマーサクセスが顧客満足度を高めているのです」(庭山氏)

 さらに組織の変化に伴って、営業、マーケティング、カスタマーサクセスなど多部門が連携して収益の最大化を図る「RevOps」(レベニューオペレーション)に注目が集まっている。

 「米国ではテクノロジーと組織が“綾織り”で進化していくので、このRevOpsが最終形態になるかは分かりません。しかし少なくとも私が見る限り、過去10年間で行われてきたさまざまな試行錯誤の中ではとても実現可能性があるものです」(庭山氏)

マーケティングの「原点回帰」とは何か

 しかしテクノロジーや組織が大きく変化している一方で、米国ではマーケティングのフレームワークに「原点回帰」が起こっているという。

 「最新のテクノロジーを追いつつ、それを使いこなすために、原理原則のフレームワークをもう一度学び直そうという潮流が来ています。古典的なマーケティングの書籍が復刊されていて、カンファレンスでも古典のフレームワークが話題です。具体的には『STP』をもう一度大事にしようということです」

 STPとはSegmentation、Targeting、Positioningの頭文字をとったもので、自社の価値や戦うべき正しい市場の定義、市場におけるポジショニングなどを分析、設定する手法だ。

 庭山氏は日本企業のマーケティングにもSTPが欠かせないと強調する。ではなぜ日本企業にSTPが必須なのか、なぜ正しい分析ができていないのか――この詳細はぜひオンラインイベントの講演でチェックしてほしい。

B2Bマーケの原点回帰、STPが必要な理由を学ぶ

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