スノーピークは2月13日、2023年度12月期連結決算が前年同期比99.9%の減益となったと発表した。アウトドアブームの終焉に伴うキャンプ需要の低下が、同社の業績に色濃く反映された形となる。
同社は、コロナ禍をきっかけにしたキャンプブームを捉え、一時は1500億円を超える時価総額を誇った。現在はその約5分の1にあたる300億円程度まで低下している。
日経平均株価が史上最高値の更新を目前に控える中、市場では同社のように、ここ数年で注目を浴びた企業の不調が目立つようになっている。
そんな逆風にさらされているもう一つの企業が、ワークマンだ。同社の株価はここ1年で30%も下落している。日経平均株価がここ1年で30%以上も上昇していることを踏まえると、ワークマンは全体の市場と逆相関しているといっても過言ではない。
時価総額も約3000億円と低迷しており、19年の6000億円から半減した。当時、ワークマンの時価総額は日本マクドナルドホールディングスの時価総額を上回るほどの人気を博していた。しかし、現在の日本マクドナルドHDの時価総額は9000億円と3倍以上の差がついてしまっている。
ワークマンを巡っては、既存店の鈍化と利益率の低下が近年の課題となっていた。海外売上高比率が0%の同社は、円安やインフレによるコスト増を正面から喰らってしまう形となった。ユニクロなどの大手と異なり、外貨による収入でカバーすることが難しかったのだ。
同社は27年までに台湾を足がかりに海外展開を行う想定であったが、円安とインフレのペースが同社のスピードよりも速かったことが不調の要因の一つであると考えられる。
5日には今期における売上高と純利益の見込みを大幅に下方修正したことで、今もなお、年初来の安値をずるずると更新している状況にある。
株高に湧く日本市場で、当時は「時代の寵児」とされてきたワークマンとスノーピークがわずか数年で苦境に陥ったのはなぜか。
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