大杉氏によれば、デコットのアイデアは数十年前に流行した「色変わりペン」が発端だったという。当時は「シークレットペン」と呼ばれており、片方のペンで書いて、その上からもう片方でなぞって色変わりを楽しむ子どもが多かった。
例えば、サンスター文具では70年代に発売した男児向けの文具セット「スパイ・ザ・パック」にシークレットペンを採用。水に溶けるシークレットメモなどもセットに含まれ、スパイになりきって遊べる商品として大ヒットした。
「私が子どもだった90年代のころ、コーンフレークのおまけで付いていたシークレットペンで遊んだ記憶があります。当時とても新鮮だった印象がありますが、最近は店頭で見かけません。当時を知る世代にはなつかしく、若年層には目新しいモノとしてウケるのではないかと思いました」
昭和レトロブームのように、若年層にとって新鮮に映る文化やアイテムがヒットにつながるケースは少なくない。大杉氏が会議で提案すると、想定通り20代の若手社員は「こんなの見たことがない」と驚き、ポジティブな反応を示した。
一方、かつての流行を知るベテラン社員は、「昔からある商品を今さら出しても」と後ろ向きな姿勢だったそうだ。社内の意見が二分したため、まずは様子見として開発をスタートさせた。
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