「足のサイズが左右で違う」人はそこそこいるのに、なぜ“シュー店”はなかったのか火曜日に「へえ」な話(2/5 ページ)

» 2024年03月19日 07時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

片足のみの販売は「面倒」

 世の中に2つの“痛み”を感じている人が多そうだが、トップアスリートの多くは、その人のサイズに合わせて左右別のシューズを履く。いわば特注のようなカタチが当たり前になっているわけだが、なぜ既存のシューズ店で片足のみを販売してこなかったのか。

 ちょっと調べたところ、片足のみの販売もあるにはある。ただ、医療用や介護用など特殊なモノであったり、フルオーダーの商品であったり。もう少し詳しく調べると、お店によっては片足のみ販売しているところもあるようで。ただ、何らかの事情で“特別”に対応しているケースが多いようだ。

 では、なぜシューズ店で片足のみの販売をしてこなかったのか。理由は2つある。1つは「面倒だから」。片方ずつ売るから作業量が2倍に増える……といった話ではなく、商慣習が大きく影響している。

 左右別の靴を扱うということは、売る側はそれぞれの商品を管理しなければいけない。例えば、右足、左足の品番をつけなければいけない。次に、メーカーの品番と紐づけて、さらにJANコードを新たに生成しなければいけない。

 作業はまだまだあって、外部システムと連携するために、商品登録なども欠かせない。このほかにもさまざまな作業が発生するわけだが、すべてを説明するのは“面倒”に感じるほど、たくさんの業務がある。

DIFF.のビジネスモデル
独自のシステムを構築

 手作業でやっていれば他の仕事ができなくなるので、同社は独自のシステムを構築。ほぼ自動化が実現できたので、作業時間を大幅に削減できたようだ。こうしたシステムは珍しいそうで「とてもニッチな世界。日本だけではなく、海外でも初めてかもしれません」(清水さん)とのこと。

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