直近、ポイント関係の改悪として話題になったのが、SBI証券のクレジットカード積立における三井住友カードの還元率の変更だ。これまでクレカ積立額の5%を還元するという大盤振る舞いを続けてきたが、この秋から還元率を最大3%に下げる。その3%についても、年間カード利用額500万円以上という制限が新たに付いたのだ。
ポイントは大盤振る舞いの付与を行うこともあれば、一気に蛇口を絞って「改悪」と騒がれることもある。これはポイントがマーケティングツールの一貫である以上、避けられないことだ。とはいえ、これによりクレカ積立の勢力図が大きく変化する可能性がある。その背景をひも解いてみよう。
証券各社はクレカ積立とその還元率をウリに、ポイ活ユーザーの投資信託積立を増やしてきた。もともとこの手法で大きく顧客数と投信積立額を伸ばしたのは楽天証券で、楽天カードを使って積み立てると1%を楽天ポイントで還元することで業界トップの投信積立残高へと躍進した。
しかし「1%も還元しては赤字でもたない」とついに宣言し、2022年秋に人気投信において還元率を0.2%まで下げた。この機を逃さなかったのが、競合ネット証券各社だ。SBI証券、マネックス証券、auカブコム証券はそれぞれクレカ積立をスタート。楽天証券の改悪で離れたユーザーの獲得に動いた。
中でも高還元で目を引いたのがSBI証券だ。22年12月、SBI証券は三井住友カードと組み、三井住友プラチナプリファードカードにおいて5%をVポイントで還元し始めたのだ。
そもそもプラチナプリファードは年会費3万3000円というハイクラスカードだ。ところが月間5万円、年間60万円のクレカ積立を行うと、その5%は3万円にもなる。「実質3000円でプラチナプリファードが使える!」という口コミもネットで広まり、これまでプラチナカードに関心がなかった層まで新規に加入した。
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