そしてこの春台風の目となりそうなのが、Vポイントだ。共通ポイントの嚆矢であるTポイントは、4月に三井住友グループのVポイントと統合が決まっている。23年11月末時点でのTポイントの有効会員数は1.3億、Vポイントは2200万を数える。年間1回以上利用し、複数カードを保有している人を名寄せしたアクティブでユニークな会員数は、「TとV合計で8600万人」だと23年6月に行われた発表会では説明している。
Vポイントは、5大共通ポイントの中で唯一通信キャリアとのつながりをもたない。これが弱みでもあり、強みでもある。また三井住友グループの証券会社であるSMBC日興証券ではなく、SBIホールディングスとの連携も強めている。つまり、5大ポイント経済圏の中で、銀行と証券ではトップ、カードでは楽天カードとライバル関係にある構図だ。
4月にVポイントがTポイントと統合し、新たな船出をするタイミングで、今回の三井住友カード×SBI証券クレカ積立改悪はちょっと味噌を付けてしまったともいえそうだ。統合は4月22日。どんな挽回策が出てくるかも楽しみにしたい。
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
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