ただし、この文面はあくまでもこちら側の視点で作成したものに過ぎず、相手がどう受け取るかは分からない。そこで、相手側の視点でこのメールに対する意見を聞いてみたい。
新しいチャットを開き、相手の立場や今の状況を記載したうえで「このメールについて、『好感をもてる箇所』と『不愉快に感じる箇所』を挙げてください」と指示して、その下に出力されたメールを貼り付けよう。
【プロンプト】
あなたは中小企業の経営者です。会社の設立記念にあわせてWebサイトのリニューアルを依頼していた制作会社から、以下のようなメールが送られてきました。このメールについて、「好感をもてる箇所」と「不愉快に感じる箇所」を挙げてください。
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(メールを貼り付ける)
以下、ChatGPTが出力した回答には「おっしゃる通りです!」と言いたくなるような意見が並んでいる。表現を工夫した遅延理由についても、管理能力不足である事実は変わらないため、結局「不愉快に感じる箇所」として挙げられてしまった。
【回答】
好感を持てる箇所:
不愉快に感じる箇所:
「不愉快に感じる箇所」について、少しでも挽回したい。そこで「不快感を軽減するためにメールに記載されていると望ましいこと」を追加で質問した。
【プロンプト】
「不愉快に感じる箇所」の不快感を少しでも軽減するのは、メールにどのようなことが記載されているのが望ましいですか?
以下の回答には、改善策の説明や保証の提案、進捗報告の方法といった具体的な内容が提案されている。最初の文面に比べると本気で挽回しようと思っていることが伝わる内容になりそうだ。
【回答】
不快感を軽減するためには、以下のような要素がメールに含まれていると望ましいです:
1.具体的な改善策と予防措置の説明:遅延を引き起こした具体的な問題と、それを解決し将来的に同様の問題が発生しないようにするための改善策や予防措置を説明する。
2.具体的な補償の提案:リニューアルの遅延による不便や損失に対して、何らかの補償を提案する。例えば、サービスの割引、追加機能の無償提供、将来のプロジェクトでの優遇措置などが考えられる。
3.進捗報告の具体的なスケジュールと方法:進捗を週次で報告するという約束に加えて、その報告がどのような形式で、どのような内容を含むのかを具体的に記載する。これにより、クライアントはプロジェクトの状況を把握しやすくなる。
4.直接のコミュニケーションの機会の提供:遅延に関して直接話し合うためのミーティングを提案する。顔を合わせて話すことで、より深い理解と信頼関係の構築が期待できる。
5.責任者の明確化:プロジェクトの遅延に対する責任を取るべき具体的な担当者や管理者を明記し、クライアントが直接連絡できるようにする。これにより、責任感のある対応が期待できる。
これらの要素は、誠実さと問題解決に向けた積極的な姿勢を示すことで、クライアントの不快感を和らげ、信頼関係の回復に繋がる可能性があります。
これに続けて「この内容を盛り込んで、最初のメールを書き換えてください」と指示すれば、メールの文面を更新することができる。最後に、出力されたメールをベースに人の手で清書を行えばよい。
今回は「メールに何を書くかを決める」「メールの文面を考える」「そのメールを相手がどう受け取るか評価し、ブラッシュアップする」の3つの段階でChatGPTを利用した。
メールを書く際の「何を書くかを考える時間」や「書いたメールの文面に問題がないか検討している時間」は意外と気が重い。文面の下書きだけでなく、そういった前後のプロセスにもChatGPTの力を借りることで、より効率的にメール作成を行えるようになり、「メールを書くのがおっくう」という心理的な負担も軽減できる。
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