星野社長はインバウンド(訪日外国人観光)需要についても触れた。コロナ禍前から懸案だった、局所的に観光客が集中し地域の交通インフラや住民に悪影響を及ぼすオーバーツーリズム問題については、残念ながら「悪化している」とした。
都道府県別の訪日外国人の宿泊数をみると、19年は上位5都道府県に全体の約65%が集中していたところから、23年には約75%と、さらに訪日外国人が集中している。
「この悪化はかなり深刻で、インバウンドは大都市圏に集中している。04年の観光立国戦略会議で、日本の地方の新しい経済基盤を作っていこうという目的で『観光立国』を目指していた。現在それとは逆の方向に行っているということが、私の中ですごく大きな懸念になっている」(星野社長)
星野社長は現在高知県、福井県、山口県で新たなプロジェクトを進めていることに触れ、インバウンド需要の地方分散に貢献していきたいとした。
また地方への誘客を促進する上で、国立公園を観光コンテンツとして強化することも重要だとした。「日本は『文化観光』は得意だが『自然観光』は苦手」(星野社長)とし、自然観光を強化することで、まだインバウンドの経済効果が表れていないところにも恩恵をもたらすと展望を話した。
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