アプリ統合で反転攻勢 「楽天ペイ」の“現在地“は? ポイント経済圏の行方「ポイント経済圏」定点観測(4/5 ページ)

» 2024年04月23日 13時39分 公開
[斎藤健二ITmedia]

利用状況に基づいたポイントの強さ

 もう一つ、5大ポイント経済圏の数字を別の角度から見ておこう。前回の記事では各社が公表しているユーザー数(会員数)と年間発行ポイント数から、それぞれの共通ポイントの規模感を推察した。ただし、発行ポイント数はともかく、会員数は本当のユーザー数を表しているとはいえない。現在使っていなくても、ポイントカードを作ったことがある人は多いだろうし、場合によっては1人で何枚もカードを作っている場合もある。TポイントとVポイントの会員数合算で1億5500万人というのはそういう数字だ。

各社が公表しているユーザー数(会員数)と年間発行ポイント数(再掲)

 では実際の利用状況に基づいたポイントの強さはどうか。それが分かるデータとして、野村総合研究所が2021年8月に1万人に対して行った調査を紹介する。Web調査ではなくサンプル抽出による訪問アンケートであり、信頼性も高い。

 それによると、「普段の買い物やサービス利用において、貯めているポイント(複数回答)」に対し、トップを取り続けているのは、実はTポイントだった。このところ、スマホ対応の遅れや、パートナーだったヤフーとの別離などから、ジリ貧と見られたTポイントだが、実のところは頭一つ抜けた共通ポイントの王者だったともいえる。

野村総合研究所が2021年8月に1万人に対して行った調査より。各ポイントともアクティブ会員数を増加させており、ポイ活ブームがうかがえる。しかしそれでもトップはTポイントだった

 単純なアクティブユーザー数だけではなく、積極的に貯めたり使ったりする熱心なロイヤルユーザーにおいてもTポイントは強い。同調査の中でロイヤルユーザーの数が最も多いのはTポイント。約半分のユーザーが「積極的に貯めて使う」と回答している。

 ただしロイヤルユーザーの比率が最も高いのは楽天ポイントだ。楽天ポイントユーザーのうち約4割が、非常に熱心に利用している。

アクティブユーザーの数ではPontaポイントが2位につけていたが、ロイヤルユーザーの数や比率では楽天ポイントが逆転する(野村総合研究所調査より)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.