最近話題なのは、「小田急百貨店」が取り壊されたことだ。現在、この建物が取り壊されたことで、「スタジオアルタ」が入っていた新宿東口駅前の「新宿アルタ」が西口側から見えるようになり、広い空が広がっている。
この地には、地上48階、高さ260メートルの複合施設がオープンする予定だ。商業施設とオフィスを備えた建物となる。2029年度に竣工予定である。
現在は建物が取り壊されたことで、非常にすっきりとした状態になっている。地下にある各路線の改札を結ぶ通路は複雑でも、地上はもうほとんど何もない、という状態だ。小田急百貨店の建物自体も大きかったが、それよりも大きな建物がこの跡地につくられる。
道をはさんで反対側の「明治安田生命新宿ビル」も建て替えのため取り壊されており、ヨドバシカメラ新宿本店の全体像もよく見える。「いずれこのお店も建て替えとなるのだろうか?」と考えてしまう。
新宿西口から南側へちょっと向かうと、こちらでもビル工事が進んでいる。京王電鉄とJR東日本が開発するビルで、地上37階、高さ225メートル。「新宿サザンテラス」に面している。
このエリアの小さなビルの敷地や建物を両社が買い上げ、鉄道会社の力で巨大ビルを手掛ける。京王電鉄が関係しているということは、「京王百貨店」の建物にももちろん影響する。
京王百貨店とJR東日本系列の「ルミネ新宿 ルミネ1」がある場所には、サザンテラスに面するビル群が建ち、2040年代の完成を目指している。現在は2024年なので、ずいぶん先の話である。これらのビルには、オフィスや商業施設、ホテルなどを入居させるとのことだ。
なお、この工事で京王電鉄の新宿駅も変わる予定だ。新宿駅のホームを現在よりも北側にずらし、東京メトロ丸ノ内線に行きやすくする。
そもそも、これらの計画は「新宿グランドターミナル」構想の基に進められており、個々の巨大建築はその一部でしかない。歩行者にとって使いやすい、つまり鉄道利用者にとって利便性が高いまちづくりを目指しており、そのことが都市の価値を高めるという考えのようだ。
JR東日本新宿駅構内の工事も、こういったグランドデザインの一環である。長期にわたり都市を改造することによって、世界の中の東京、東京の中の新宿の存在感を高めることにつながる。それは、行政にも鉄道会社にもプラスとなる。
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