ローソンの「韓国コスメ」がバカ売れ 7カ月で200万個も売れた「4つ」の秘密緊急購買から「目的買い」へ(3/5 ページ)

» 2024年05月07日 05時30分 公開
[小林香織ITmedia]

緊急購買から「目的買い」へ

 ローソンが韓国コスメを発売した背景には、「若年層の来店」を促したい狙いがある。ローソンに限った話ではなく、コンビニの主な顧客層は30〜50代で、エリアによっては高齢者が多い店舗もあるという。

 加えて、コンビニの化粧品といえば「急に外泊予定ができた」「化粧品を自宅に忘れてきた」といったタイミングでの「緊急購買」が目立ち、「この化粧品が欲しいから」という「目的買い」の人は少なかった。

「若年層の来店増」と「目的買いへのシフト」が、韓国コスメ参入の狙いだ(筆者撮影)

 「化粧品を購入する層も働く30〜50代がメインで、なかなかZ世代に手に取ってもらう機会がありませんでした。若年層の来店を促し、年齢を重ねても長く使ってもらえる化粧品を開発したいと考え、韓国コスメに着目しました」

 コロナ禍で日本のコスメ市場は縮小傾向だが、韓国コスメ市場は顕著に成長している。化粧品の輸入先(金額ベース、日本化粧品工業会調べ)を見ると、2022年に韓国が初めてフランスを抜いて首位になり、775億円にのぼった。

韓国コスメ市場は勢いよく成長している(提供:韓国高麗人蔘社)

 ローソンとロムアンドの交渉が始まったのは、2022年6月ごろ。「ぜひやりましょう」とすぐに話がまとまり、製品を発売したのは2023年3月末。半年ほどの開発期間で初回のラインアップ25品を発売した。

 「日本のコスメブランドの場合、開発期間に1年以上かかることが多いのですが、韓国ブランドは動きが早い傾向があります。少ないロット数で作れたり、インフルエンサーとのコラボ商品が多数販売されていたり、開発の間口が広い印象もありますね」

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