データ活用によって成約率が向上し、収益アップに成功した一方で、同社は課題も感じていた。長谷川氏は「本質的な顧客ニーズや顧客満足と向き合えているのか、本当に顧客目線に沿った営業をできているのか、疑問が残っていた」と振り返る。
そこで同社は、顧客ロイヤルティを図る「NPS指標」を導入。成約率だけでなく、NPSスコアの向上を目標に置いた営業活動へと舵を切った。
NPS(Net Promoter Score、ネット・プロモーター・スコア)は、顧客ロイヤルティ、顧客の継続利用意向を知るための指標だ。顧客満足度に並ぶ新たな指標として昨今注目を集めている。
このNPSスコアを向上させるためには、顧客の損益率を改善することが欠かせない。そのため、営業員は商品の運用状況を伝える場として顧客と定期的な面談を実施している。面談では、単に状況を伝えるだけでなく、顧客に損をさせないために何ができるかをプレゼンする。
面談は営業員が多忙な時も忘れないよう、システムで管理し、「必ずやること」として通知しているという。
同社は経営基本方針として「お客様の資産価値最大化」を掲げ、データを活用した的確な市場環境分析と、面談など密なコミュニケーションを通じた深い顧客理解の2軸を強化してきた。長谷川氏は「日経平均が過去最高値を記録したことにももちろん助けられてはいるが、現在のNPSは過去最高まで向上した」と語る。
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