大和証券では営業活動におけるデータ活用を強化しており、成約率が2.7倍に成長するなど、売り上げを伸ばしている。
しかし、データをもとに「ニーズの高い顧客」を見極め、効率的な商品提案ができるようになった一方で、本当の顧客満足に向き合えているのか、課題に感じていた。
そんな中、同社は顧客ロイヤルティを測る「NPS」指標を活用し、成約率だけでなく、顧客満足度を意識した営業組織に変革を遂げているという。
同社では、顧客のWeb上の行動データや残高情報、過去の取引実績、プロファイル情報、営業員によるCRMの記入情報……といった莫大なデータから「購入ニーズの高い顧客」を導き出し、効率的な営業活動を実現している。
「例えば、投資信託を売りたい場合は、これまでの購入実績が大きく関係するため、過去購入経験がある人に加点する。その他、Webサイトで投資信託の閲覧履歴がある人は購入の確率が高くなるためさらに加点。
他にも商品ごとの購入者データなどから年齢や性別、居住地などの傾向を考慮し、購入する確率が高い属性を持つ顧客に加点をしていく──。このように、さまざまな要素から最も購入に近い顧客をAIで導き出している」(MISデータ管理部長・長谷川理氏)
長谷川氏は「データ活用はあくまで底上げだ」と話す。証券会社は商品数が多く、必要な知識も多岐にわたる。年次や経験によってばらつきが生まれる営業員の知識やスキルを、ツール活用でサポートしている。
これらのデータにひも付く営業活動によって成約率は2.7倍に成長。解約率も半減するなど収益に貢献した。また、ツール活用に対する営業員からの満足度も84%と非常に高い。
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