キリン、電気で「しょっぱくなる」スプーン発売 開発に5年、減塩食の物足りなさ解消へ(2/4 ページ)

» 2024年05月21日 09時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]

自身も約3カ月の減塩生活を実施

 エレキソルト スプーンは、キリンホールディングスの佐藤愛氏(ヘルスサイエンス事業部 新規事業グループ)と、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室が共同開発した。開発のきっかけについて佐藤氏は「大学病院で研究をしていた際、食事療法で減塩に取り組む患者の多くが辛い思いをしていたことから」と振り返る。

salt キリンホールディングスの佐藤愛氏(発表会で編集部撮影)

 厚生労働省によると、20歳以上の日本人が1日当たりに摂取する食塩量は男性は10.9グラム、女性は9.3グラム。WHOが掲げる食塩摂取推奨量5.0グラムと比較すると、非常に多い。日本の食文化では意識せず食塩をとり過ぎてしまう傾向があり、多くの人が濃い味の食事に慣れていると佐藤氏は指摘する。

salt 日本の食文化では意識せず食塩をとり過ぎてしまう傾向がある(プレスリリースより引用)

 「食べ慣れた塩分の多い食事から、薄味の食事に変えることは簡単ではありません」(佐藤氏)。佐藤氏自身も約3カ月の減塩生活を実施したところ、次第に食欲がなくなり体重は5キロ減ったそうだ。こうした経験から「食塩のとり過ぎは解決しつつ、おいしいことも両立できないか」と考え、開発に着手した。

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