コナン映画新作、興収135億円突破 3世代のファンを離さないコンテンツの“トリック”エンタメ×ビジネスを科学する(1/3 ページ)

» 2024年05月27日 08時00分 公開
[滑健作ITmedia]

 劇場版名探偵コナンの人気が止まらない。興行通信社によると、4月12日から公開された『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』は6週連続動員ランキングトップ、5月19日時点で興行収入は135億円を突破した

『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』 『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』(出所:公式Webサイト)

 2023年公開の映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』から数え、同シリーズで2年連続の興行収入100億円超えを果たしたことになる。加えて4月30日、公式は同シリーズの累計動員数が1億人を突破したと発表した。興行収入100億円を超えた邦画作品は歴代で19作品(2024年5月13日時点)しかないことからも、コナンシリーズの人気の高さがうかがえる。

『名探偵コナン』映画シリーズ 興行収入推移(筆者作成) 『名探偵コナン』映画シリーズ 興行収入推移(筆者作成)
『名探偵コナン』映画シリーズ 歴代作品と興行収入(筆者作成) 『名探偵コナン』映画シリーズ 歴代作品と興行収入(筆者作成)

 同シリーズが興行収入100億円を超えたのは2023年が初めてだが、2018年以降は2021年を除いて、90億円規模の興行収入を記録している。公開期間中に緊急事態宣言が発令されていた2021年でさえ、70億円を超える好業績を残している。これらを鑑みれば、連続100億円超えの人気は一過性のものではなく、安定した支持を獲得していることが分かる。

『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』 興行収入131億円を突破した前作『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』(出所:公式Webサイト)

 しかし、なぜ原作連載30年、映画公開27年の長寿シリーズがいまだに注目を集め続けているのだろうか。その要因を、消費者接点とマーケティングの観点から検証していきたい。

 同映画人気の要因は大きく2つ、「コンテンツの強さ」「映画におけるマーケティングの強さ」に分けられる。

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