「最強連合」に向けてイオンを頼ったツルハ モノ言う株主の指摘は本当に正しいのか長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)

» 2024年06月03日 11時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

あくまで業界は好調 マツキヨココカラの裏には「コロナ」

 いずれも決算時期は異なるが、直近の決算(連結)では売上高1位がウエルシアで約1兆2173億円(前年同期比6.4%増)。2位はツルハとマツキヨココカラ&カンパニーがしのぎを削る。以降も、トップ10は全ての企業で売り上げが伸びており、頭打ちの業界ではない。今すぐに経営統合しなければならない、差し迫った理由は見出せない。ただし、今後出店余地が少なくなり、1店舗当たりの売り上げが低下すれば、百貨店やスーパー、コンビニのように大手チェーンの統廃合が進むといわれている。

マツモトキヨシの店舗

 コロナ禍のさなかに経営統合した、マツモトキヨシHDとココカラファインには共通の特徴があった。具体的には、都市部の駅前に店舗が多く、インバウンドの爆買いで売り上げを伸ばしていた。従って、コロナ禍でインバウンド需要が消失して駅を利用する人も激減した状況では苦しかったのだろう。郊外型のロードサイド店を中心に売り上げを伸ばしていた、ウエルシア、ツルハ、コスモス薬品、スギHDなどが好調に推移する一方で「負け組」になっていた。

ココカラファインの店舗

 その後、コロナ禍が終わってきて、マツキヨココカラ&カンパニーは急速に復活している。マツキヨココカラ&カンパニーが誕生した背景に、コロナ禍による危機感があったのに対して、ウエルシアとツルハには何があったのか。

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