サイボウズ青野社長が語る、「チームワークあふれる会社」の作り方
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
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【概要】「企業の成長」と「働きやすさ」をどう両立させるのか、DXやコロナ禍を経てコミュニケーションの形も働き方もガラリと変わった今、“理想的な職場”を実現するカギは何か――。ワークスタイル変革の第一線を走るサイボウズの青野慶久社長が語る。
韓国の仁川国際空港西側にグランドオープンしたIR(統合型リゾート)「INSPIRE」(インスパイア)。カジノ、ホテル、ショッピングモール、ウォーターパーク、アリーナ、公園など多彩な施設を備え、米モヒガン社が開発・運営している。
投資額が約2兆ウォン(約2200億円)で、敷地面積は430万平方メートルと広大なインスパイア。客に何度も訪れたいと思わせるような施設をいかにして作り出し、顧客生涯価値(LTV)を高めているのか。【投資額2200億円 韓国にオープンした米・統合型リゾートが日本を“狙い撃ち”したワケ】に続き、インスパイア・エンターテインメント・リゾートのマイケル・ジェンセン最高マーケティング責任者(CMO)にLTV向上の秘訣(ひけつ)を聞いた。
IRは一言でいえば「全部入り」の施設だ。この施設を顧客がシームレスに楽しく体験してもらう、つまりカスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるために欠かせない要素は何なのか。
「(名前の通り)『統合』されているわけですから、全ての施設が一つ屋根の下にあり、カジノは大人の客、アリーナは若者の客に訴求力があります。最新のデジタル技術を駆使した施設として話題を呼んでおり、全長150メートルのLEDで彩られたデジタルエンターテインメント・ストリート『オーロラ』は、韓国のみならずアジアのIRでも珍しい存在です」
オーロラを実際に見ると、植物や魚が泳ぐ光景は、まるで現実にあるかのような精緻なCGで、驚かされた。5月には約6000平方メートルという韓国最大のデジタルアートミュージアムで、没入型コンテンツの展示を手掛ける「ヒュンダイ・フューチャーネット」と提携した「ル・スペース」もオープン。ジェンセンCMOは「アートとさまざまなアトラクションを融合させた施設で、こちらも韓国内のデジタル市場で間違いなくゲームチェンジャー的な存在になる」と胸を張る。
LTVとは「Life Time Value」の略で「顧客生涯価値」と訳される。ある顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間にどれだけの利益をもたらしてくれるかを表す指標だ。つまりLTVを増やすには、リピーターをどれだけ抱えられるかがカギとなる。
「常にリゾートを刷新し、新しいものを打ち出していくことが重要です。この規模の施設になると、皆さん1度は来てくれます。しかし、リピーターになってもらうには、新しい体験を常に届けることが重要です。アリーナは最先端の設備を備えていますから、コンサートを開いた後も各方面から『ワンランク上の演奏・鑑賞体験ができた』と好評なフィードバックをいただけています。K-POPのコンサートでも、徐々に日本の方々に認知いただいていて『推しがコンサートをした施設に泊まる』といった形で、新たなコンサート、韓国旅行の楽しみ方を提供できています」
現在、オーロラに映し出しているのは「Under the Blue Land」というテーマだ。次のコンテンツについての議論も進めていて7月には新たな展示をするという。
他にも動くシャンデリア「ロタンダ」を置くなど、デジタル技術の活用によってビジネスを拡大させようという意図が明確だ。IRのITシステムにはフロントハウスとバックハウスの2つがある。前者は、オーロラを含めたLEDを使うためのソフトやネットワークのことだ。一方、バックハウスは、スタッフがビジネスをする上でのテクノロジーのことを指す。
「大規模なIRを稼働させる場合、ホテルやレストランでの決済システム、人事、スケジューリングなど約150種類ものITシステムが必要になります」
韓国政府は、韓国人が入場できるカジノを、韓国東部の「江原ランド」に限定している。
「そのため、ロイヤルティプログラムも2つあります。1つは韓国のローカル市場の客をターゲットにしたノンゲーミングと、外国人向けのカジノ向けのプログラムです」
この状況を踏まえてインスパイアは、プログラムは別であっても1つのIDによって、客を管理できる仕組みを整えたという。日本では例えば楽天グループが「楽天経済圏」で決済やポイントなどを1つのIDで対応し、CXを向上させようとしていることは以前リポートした。インスパイアの狙いも同じなのか。
「その通りです。アカウントとしては2種類ですがIDは1つです。客はホテルやレストランなどでIDカードを提示してポイントを獲得します。私たちは、客の消費動向などを見て、データの収集・分析をします。そこから、客が望む新しいリゾート体験の提供をする形で還元するのです」
一方、取得したデータは、インスパイア内にあるテナントなどを含めたクライアントには共有しないという。
「顧客データは内部で管理していて、基本的にパートナーと共有することはありません。もちろん、パートナーとコラボする際に、討論する材料にはなるかもしれませんが、コアなデータは共有していません」
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