任天堂「9年ぶり」の後継機はどうなる? VR、生成AI……未来のゲーム機を考えるエンタメ×ビジネスを科学する(3/4 ページ)

» 2024年06月18日 08時00分 公開
[滑健作ITmedia]

クラウドゲーミングを活用する可能性

 「クラウドゲーミング」の普及も注目すべき点だろう。クラウドゲーミングとは、ゲームをクラウド上で処理し、映像としてユーザーのゲーム画面にストリーミングする方式のこと。個々のゲーム機で行う処理はコントローラーからの入力と映像投影程度で済み、画像レンダリングなど高負荷の処理はサーバー側に任せられる。

NVIDIAが開発したクラウドゲームサービスNintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit「GeForce NOW」

 要求スペックが上昇している昨今、ゲーム機のみで処理を行うのはコスト面で限界がある。クラウドゲーミングによってゲーム機本体の価格を抑えられる点は魅力的だ。

 ただし、クラウドゲーミングを十分に楽しむには高速低遅延なインターネット回線が必要となる。日本や北米は光ファイバー回線や5G回線の普及率が比較的高いが、欧州をはじめ他の国・地域はそうではない。そのため、任天堂が強みを持つライトゲーマー層にアプローチできない可能性がある。

 次世代機がクラウドゲーミング前提となることは考えにくい。ただし「PlayStation Plus」のような付帯的なサブスクサービス、あるいは特定タイトルや一部の機能に絞り、クラウドゲーミングを用いることは考えられる。

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