サイボウズ青野社長が語る、「チームワークあふれる会社」の作り方
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
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【概要】「企業の成長」と「働きやすさ」をどう両立させるのか、DXやコロナ禍を経てコミュニケーションの形も働き方もガラリと変わった今、“理想的な職場”を実現するカギは何か――。ワークスタイル変革の第一線を走るサイボウズの青野慶久社長が語る。
かねて、政府が推奨してきたリスキリング。言葉としては定着した感がありますが、リスキリング推奨に対する人々の受け止め方はさまざまです。
政府は持続的な賃上げや労働移動の円滑化を実現するべく、リスキリングによる能力向上支援を重要な施策の一つに位置づけています。新たに発表される2024年の骨太方針では、経営者も含めるなど対象を広げて推奨する方向です。
しかし、リスキリング推奨が賃上げや労働移動の円滑化などにつながっているのかどうか、いま一つ判然としません。「賃金〇%アップ」と景気の良い話はよく耳にするものの、それらは労使交渉や人材確保に取り組む企業努力の賜物という側面が強いようです。
リスキリングによって賃上げにつながったという声をあまり耳にしないのは、なぜでしょうか。現況を分析すると「学びと雇用の接続不全」という構造的な課題が浮かんできます。
ワークスタイル研究家。1973年三重県津市出身。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼 編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関『しゅふJOB総研』所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ約50000人の声を調査したレポートは300本を超える。NHK「あさイチ」他メディア出演多数。
現在は、『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰、『ヒトラボ』編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構 非常勤監査役の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
そもそも、リスキリングという言葉が使われる場面はマチマチで、言葉から受けとられるイメージはバラついています。リスキリングとは、新しい仕事に就くためや新しい時代に求められるスキルの変換に対応するための学び直しを意味し、いま就いている仕事の能力を上げる学び直しを意味するアップスキリングとは区別されるものです。
それらの区別が分かりにくいこともあってか「リスキリング=学び直し全般」の意味合いで使われていると感じるケースも増えています。ここでは骨太方針が目的に掲げている賃上げと労働移動を実現させるための学び直しのことを、リスキリングと呼ぶことにします。
リスキリングの目的を賃上げと労働移動とする場合、ゴールへ到達するルートは大きく3つのパターンが考えられます。
1つは、転職を通じて新しい仕事へと移り、賃金がいまより高くなるパターンです。具体的な職種を例に挙げながら確認してみたいと思います。
令和5年賃金構造基本統計調査には、職種別の平均給与額が記されています。
例えば「その他の一般事務従事者」に分類される職種であれば、「きまって支給する現金給与額」は32万2700円。一般事務従事者がリスキリングで経理知識やスキルを身につけ「会計事務従事者」に分類される職種に転職すれば、平均給与額は32万3500円なので賃金がアップしそうです。
しかし、経理を学びさえすれば会計事務従事者に転職できるかというと、そう簡単ではありません。いざ転職するとなると、座学で学んだ知識や資格より、実務経験が重視されることが多いからです。
事務以外の職種の場合であっても、基本的に状況は変わりません。「その他の情報処理・通信技術者」に分類される職種は平均給与額が37万1600円なので転職できれば給与は上がる可能性が高くなりますが、リスキリングでIT技術やネットワークなどについて学んだとしても、実務経験が問われるケースが多いのは同じです。
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