ここまで、内部ドキュメントにおける大手サイトの優遇が推察される指標について解説してきました。リークされた1万4014個の属性(機能)と2596個のモジュールを確認する限り、確かに中小サイトよりも大手サイトが高く評価される可能性のある要素が確認できました。しかし、小規模個人サイトのフラグやE-E-A-Tの要素もあるため、これらがどのように扱われるかによっては中小サイトが大手サイトより上位に表示されるチャンスはあると思います。
コードが読める方はぜひ実物を読むこともおすすめしますが、このドキュメントの取扱には注意点があります。
それは、内部ドキュメントに記載されていた指標は、必ずしも現在のランキングに使われているとは限らないということです。今回の流出についてGoogleは公式に認めている一方で、「断片的な情報、古い情報、または不完全な情報のため、不正確な憶測(おくそく)には注意が必要」と忠告しています。
確かに、内部ドキュメントはGoogleの広報担当者の過去の発言、Google検索セントラルなどの公式文書と矛盾する点が多々あり、どれが正確な情報であるかの判断が難しいです。私の見解としては、今回の内部ドキュメントはあくまでGoogleアルゴリズムを知る参考情報に留め、引き続き公式発表の順守をおすすめします。
結論、今回の内部ドキュメントの漏えいを受けて、SEO担当者としては特段戦略を変更する必要はありません。また、もし今回の流出情報を悪用した施策を行えば、Google側もスパム行為としてすぐに対処することが予測されるため、注意が必要です。
また、今はAI Overviewといった新しい検索への変換期でもあります。次世代の検索アルゴリズムでは、コンテンツやUIが優れているサイトであれば、中小規模のサイトであっても大手サイトより上位に表示されることをGoogleに期待したいところです。
引き続きコンテンツの品質やUIにこだわり、回遊しやすいリンク構造に改善するなど、Googlebot向けではなくユーザーを意識した施策に集中しましょう。
株式会社デジタルアイデンティティに2023年にジョイン。前職の株式会社アダムテクノロジーズでは執行役員。現在はSEOエヴァンジェリスト、コンサルタント。SEO集客からの売り上げ・問い合わせ増加など、セールスファネル全体のコンサルティングが可能。『薬機法管理者』の資格を有し、表現の規制が厳しい薬機法関連分野のマーケティングにも精通。
X(旧Twitter):@yuuta_tanaka88
会社HP:https://digitalidentity.co.jp
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