書店業界の危機に対し、新たな動きが始まっている。そのひとつが、直木賞作家・今村翔吾氏が2024年4月27日に東京・神保町にオープンしたシェア型書店「ほんまる」だ。クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がデザイン面を担当し、ブランディング向上に寄与している点でも注目を集めている。
今村氏は「書店はイニシャルコストがかかるだけでなく、粗利率も低い。人件費や地代を考えると従来型の経営では立ち行かない」と指摘する。この認識が「ほんまる」誕生の背景にある。
同書店は、16坪(地上1階、地下1階)の空間に364の棚を設置し、個人や法人に月額4850円から貸し出しを行う。新刊書と古書の両方を扱い、本との多様な出会いを創出する。棚を貸し出すことで経営リスクを分散し、開店から3カ月で棚の利用率は85%に達するなど、黒字経営を維持している。
全棚の30%を法人契約が占めており、それが経営の安定性を高めている点が特徴だ。ちなみに、起業のきっかけになった本やオススメの本などが並んでいる。
えっ、盗まれないの? 無人の古本屋は、なぜ営業を続けられるのか
なぜfreeeが本屋を始めたのか 経営状況を”明け透け”にする「透明書店」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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