では、なぜニコットはそのような出店戦略が可能になっているのかというと、「小型化」だ。
「ホームコンビニエンス」を掲げている同店は、300坪未満の売り場の中に、衣料・食品・住居関連、農業や林業に従事する人の仕事道具まで全て取りそろえているという異色の業態で、店舗によっては100円ショップの「キャンドゥ」も入っている。
つまり、これは言い換えれば、ニコットというのは「小さなホームセンター」「小さなスーパー」「小さな100円ショップ」をギュッと集めた「小さなショッピングセンター」である。巨大なホームセンターや大型スーパーよりも少ないコスト、少ない人件費で運営できるので、消費者が少ない地域でも採算がとれるのだ。
ご存じのように、過疎化や人口減少は全国的な問題だ。高齢化に伴い「買い物困難所」も増えていく。それらの問題解決に、ニコットのような業態は今後ますます求められていくだろう。
さて、このような話を聞いていると、「確かにこれからの日本には必要な業態かもしれないけれど、あんまり景気のいい話じゃないよね」と、小型店にマイナスの印象を抱く人も多いかもしれない。「ちょっと前までは『安いニッポン』とか言われていたけれど、次は“小さなニッポン”か。なんかどんどんみみっちい国になっていくな」という感じで、日本の衰退を感じる人もいらっしゃるだろう。
ただ、「店舗の小型化」は悪い話ばかりではない。かつて日本の外食、小売を大きく成長させた「ドミナント戦略」を期間限定ではあるが、復活させられるからだ。
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