あの企業の20代エース社員にも「新卒1年目」の頃があった。挑戦、挫折、努力、苦悩――さまざまな経験を乗り越えて、今の姿がある。企業に新たな風を吹き込み、ビジネスの未来を切り開く20代エース社員の「仕事」に迫る。
買い物や生活、レジャー、さらには携帯事業や金融系事業など、インターネットサービスを中心に、消費者の生活をより良くするためのさまざまなサービスを提供している「楽天グループ」。
同社が作り上げた楽天経済圏や社内公用語が英語というグローバルな環境に魅力を感じ、2018年に新卒入社を決めたのが、今回取材した兼村翼さんである。
兼村さんは、ポイ活アプリサービス「Super Point Screen(以下、スーパーポイントスクリーン)」の新卒1人目社員として、外国籍人材が多数在籍する部署へ営業として配属された。
プロダクトセールスとして右も左も分からない、社内でクライアント提案を担っている営業部署との関係値も全くない状態だった中で、翌年2019年には社内MVPを獲得するまでに成長した。
たった1年で圧倒的な成果を出し、道を切り開くためにはどのような努力があったのか。成長の糸口を探った。
スーパーポイントスクリーンの部署には当時、ビジネスサイドと開発サイドを合わせ、約20人が在籍していた。外国籍の人材が多いことも、この部署の特徴である。新卒社員として配属されたのは、兼村さんが初めてであった。
「当社では研修を踏まえて配属が決まりますが、私はグローバルな環境で働きたいと常に周囲に話していました。希望は実現したものの、部署初となる新卒配属ということもあり最初は不安でした。仕事に慣れていく中で、その気持ちは少しずつ和らいでいきました」と当時を振り返る。
広告営業の経験、開発チームと会話をするために必要なプログラミングスキルもほとんどゼロの状態でプロダクトセールスを担当することになった兼村さん。スーパーポイントスクリーンの部署は2018年8月に広告部署内に移動したばかりだったため、クライアントとの架け橋となる社内の営業担当との関係は深くなく、与件も売り上げも当時は少なかったという。
スーパーポイントスクリーンのプロダクトセールスとして社外向けに営業活動を行っていたのは、兼村さんと上司の2人のみ。売り上げを伸ばしたい一方で、活動リソースは限られていた。そこで、既存の広告運用やクライアントへの営業活動と並行して、社内の営業メンバーに対してスーパーポイントスクリーンで展開できる広告の認知と販売強化を目的とした勉強会を開催。毎月のように勉強会を実施した結果、これまで接点がなかったクライアントとつながることができた。当時はコロナ禍前であったため、来店促進など、店舗を持つクライアントへの提案が特に効果を発揮した。
勉強会以外にも、営業の週次定例などで、提案の切り口や直近の導入例などを共有し続けた。「サービスの多い楽天だからこそ、情報のアップデートは重要です。5分でもいいので時間をもらい、定期的な共有を心がけました」と兼村さんは話す。要望があればすぐに相手の元へ飛んでいき、勉強会や説明会を実施したという。
これらの地道な取り組みが実を結び、プロダクトセールスとして商談に同席したり、他チームの営業と連携して広告を提案したりする機会が創出され、売り上げも増加していった。
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