キャンプブームは終わった、と言われている。大手キャンプ用品メーカーの業績が振るわず、キャンピングカーの売れ行きも下降傾向にある。そういう数字で見れば、確かに一つの盛り上がりが収束した感はある。
しかし、キャンピングカーの販売台数は2022年をピークに若干下降気味ではあるが、相変わらず売れているし、国内の保有台数は増える一方だ。つまりユーザーは確実に増えているのである。
ブームは去ったが、その分キャンプ場の予約が取りやすくなった、マナーを知らないユーザーが減ったという声もある。ハイシーズンの週末はキャンプ場はそれなりににぎわっているようだから、今もキャンプを楽しんでいる人は多いのだ。
そして今やオートキャンプ、車中泊はクルマの楽しみ方のスタイルとして定着した感がある。
ただし車中泊を禁止しているキャンプ場も少なくない。冷暖房のためのアイドリングや、深夜や早朝のトイレ利用などでの乗降時にドアを開閉する騒音が問題視されているからだ。便利さ、快適さを味わいたい向きもあるだろうが、アウトドアは自然や周囲の人へのインパクトをできる限り穏やかにするのが基本ルール。楽しすぎて羽目を外してしまうことのないようにも気を付けたいものだ。
キャンプやアウトドア、ドライブ旅行などを楽しむユーザーは大型SUVやハイエースに乗っているイメージも強いが、実際には幅広い車種がキャンプ場に集まっている。
トヨタのランドクルーザー(ランクル)やアルファードが乗用車の登録台数でランキング上位になる異常さも日本特有の現象であるが、アウトドアを楽しんできた人でもランクルユーザーは全体で見れば少数派だ。
プリウスがそれほど売れていない(それでも僅差でせめぎ合う11位あたりを維持)のは、役割を終えたと判断しかけたトヨタの豊田章男会長の考えが正しかったことの裏付けでもある。プリウスの燃費性能を受け継ぐさまざまなハイブリッド車が普及したことで、ユーザーの選択肢が広がり、ますますトヨタの強みが発揮されている状態になっているのだ。
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