大山氏が話す通り、やはり品質につながらないことには、社会的に意義のある取り組みでもなかなか続かない。では、そもそもサントリーの日本ワインが目指す品質とは何か。大山氏は「何か一つのバロメーターが突出しているのではなく、例えるのであれば『真円』のような、調和を持ったワイン」と表現する。そのために重要なのが「テロワール」だ。
テロワールとは「土地」を意味するフランス語から派生した言葉であり、土壌や気候など、ぶどう畑を取り巻く環境要因を指す。ワインの品質や風味を左右する重要な要素だ。
例えば、一つの農園であっても場所によって日射量や降水量は異なる。そこで登美の丘ワイナリーでは、敷地内のテロワールを生かした原酒のブレンドを行うために、畑を50区画ほどに分け、細かくぶどうを管理しているという。注力する甲州では、そのうち10区画ほどを使用して品種のポテンシャルを引き出す試行錯誤を続けている。
それぞれの区画で栽培したぶどうの特徴に合わせて細かく原酒を作り分けするために、2024年9月から7億円をかけて新たな醸造棟の建設にも着手。完成は2025年9月を予定し、年間で1000ケースの生産量増強を見込む。
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