シャンプーやトリートメントなどインバスヘアケア市場において、同社のシェアは右肩下がりとなっていた。低迷するヘアケア事業を成長させるため、2月から変革に着手。変革の1つが高価格シャンプー市場への参入だった。
先行する新興企業に追い付くべく、同社は4月にメルトを発売。発売から約1カ月の出荷本数が計画比の9倍という大ヒットを記録した。これまではマツキヨココカラのみで販売していたが、10月からツルハドラッグも追加し、配荷店舗を倍以上に拡大する。
高価格シャンプーの開発において、同社は部門ごとのリレー形式ではなく、マーケティング、研究などの各担当者がチームとなって開発する体制を採用している。この体制にすることで商品開発にかかる時間を大幅に短縮でき、短期間での新ブランド立ち上げが可能になったという。
また、ブランド設計の方法も変更した。「これまで弊社が展開してきたシャンプーは機能性やスペックでブランドをポジショニングしてきた。しかし、高価格シャンプーでは『かわいい』『いい香り』といった感情的な要素が重要であり、それに合わせたブランド設計を採用している」(野原氏)。ヘアケアブランドのフォーメーションを人の感情に基づいて再編し、それぞれの感情にあった商品展開を進めている。
同社は高価格シャンプーを含めたインバスヘアケア商品の売上伸長率を、2027年までに143%(対2023年比)にすることを目指している。2025年には高価格シャンプー市場に第3弾の商品を投入する予定である他、既存ブランドのリニューアルも進めている。野原氏は「インバスヘアケア市場で頭一つ抜けたい」と意気込んだ。
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