三井住友カードは10月15日から、セブン-イレブン・ジャパンと提携し、スマホによるタッチ決済で最大10%のポイント還元を始める。これは単なる高還元サービスの開始にとどまらず、業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めている。
これまでセブンは、独自のポイントシステムであるセブンマイルを採用し、共通ポイントへの対応を避けてきた。一方、ライバルのローソンはPonta、ファミリーマートは楽天ポイントやdポイント、Vポイントと提携するなど、大手共通ポイントを積極的に導入してきた。
今回の提携により、セブンの顧客は実質的にVポイントをためる手段を得ることになる。利用者はセブン-イレブンアプリの会員コードを提示し、三井住友カードのスマホタッチ決済で支払いを行うと、9.5%のVポイントが付与される。さらに、セブンマイルをVポイントに交換することで、還元率が最大10%となる。
三井住友カードの大西幸彦社長は「スマホのタッチ決済の便利さを実感いただくことで、さらに利用が広がると期待している」と話す。同社によると、セブンでの三井住友カードによる決済の約5割がすでにスマホのタッチ決済だという。
この高還元率サービスには期間の定めがない。三井住友カードのマーケティング本部長、佐々木丈也専務執行役員は「一時的なキャンペーンということではなく、両社の中長期的なキャンペーンとして実施するもの」と説明する。
今回の提携は、セブンの戦略に大きな転換をもたらす。これまで独自路線を貫いてきた同社が、大手共通ポイントとの連携に踏み切ったことで、コンビニ業界におけるポイントサービスの勢力図が大きく変わる可能性がある。
セブンとVポイントの連携は、両社にとって大きなメリットがある。セブンは全国約2万1000店舗の巨大な店舗網を持ち、Vポイントは国内約8600万人の会員を抱える。この組み合わせにより、両社は顧客基盤の拡大と購買データの獲得を見込めることになる。
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