昨今、キャリア採用の難度が上がり、社内の人材活用の重要性が高まっている。そのような中、これからの人事戦略として、どのような仕組み作りが必要となるのか。転職サイト大手のビズリーチ(東京都渋谷区)が、企業の経営層、人事担当者を対象に調査を実施した。
昨年と比べて、キャリア採用の難度が「全体的に上がっていると感じる」とした人は37.4%に上った。また、「一部職種で上がっていると感じる」という回答は32.8%となり、合わせて70.2%が、採用難度の高まりを感じていることが分かった。
新たに人材が必要になった際、企業はどのようにして人員を補っているのか。73.8%が「採用と異動の両方」と回答。キャリア採用における採用力の強化の他、社内の人材活用についても取り組んでいる企業が多数派だった。
社内公募制度の課題については「社内公募の数・種類が少ない」が最も多く、39.0%。以降は「社内公募をしても適任者からの応募がない」(36.9%)、「社内公募するポジションの業務内容や必要なスキル・経験が分かりにくい」(36.9%)と続いた。仕組み・運用面での課題だけではなく、ポジション要件の言語化においても、課題があることが分かった。
人事異動の課題については「従業員の希望に合わない異動がモチベーション・エンゲージメントの低下を招く」が最も多く、57.5%に上った。その他には「部署の求めているスキル・経験のある従業員を探すことが難しい」(53.1%)、「従業員一人一人の適性・能力を把握することが難しい」(49.1%)が上位に。社員のスキル・経験の可視化や、キャリアに関する意向を反映する仕組みが必要であると明らかになった。
社内から適任者を探す仕組みがあると「よいと思う」と回答した人は、93.4%に上った。その理由については、「適材適所の配置により生産性の最大化が図れる」が最も多く、63.0%。「従業員のキャリア支援になる」(59.1%)と続いた。
同社は「外部から人材を補うことが難しくなる中、これからの人事戦略においては、会社全体にとって最適な人材配置と、社員個人のキャリアに視点を置いた異動・登用との両立が求められる」とコメントした。
調査は、5月29日〜6月7日にインターネットで実施。ビズリーチまたはHRMOSシリーズを利用する従業員数500人以上の企業の経営層、人事担当者を対象とした。有効回答数は275。
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