前述のように、中古車は1台1台コンディションが異なる。前オーナーの扱い方やメンテナンスの内容によって、機械部分の摩耗や劣化具合が変わってくるのだ。これは素人には判断がつかないから、いつ壊れるか分からないクルマなど怖くて買えないという人も存在する。
そんな中古車の問題点を解決するべく生まれたのが、認定中古車という商品だ。認定中古車は、新車販売を行うディーラーが点検整備をして品質を保証したもので、中古車としては充実したサービスなどがある。不動産に例えれば、中古物件をそのまま売るのではなく、リフォームして価値を高めて販売するようなものだ。
その分、価格は割高になるが、素人が安心して買える中古車というのは大きなメリットだ。30年ほど前、ドイツ車から始まったこの認定中古車という制度は、今では国産ディーラーにも導入されている。少々割高だがしっかりと点検整備がなされ、長期保証が付帯される安心感からユーザーに選ばれるケースも多い。
中古車という透明性(価格の根拠、品質の裏付け)の低い商品の中では、認定中古車は比較的透明性の高い商品に位置付けられる。そのため新車を選ぶ感覚で購入できることから、ユーザーに支持されているのだ。
新車供給が不安定な現在では、ディーラーにとっても認定中古車は安定した収益を確保してくれる商品なのである。
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