おにぎり専門店が増えている。
おにぎりブームをけん引している、東京・大塚にある1960年創業の老舗「ぼんご」は連日、店の前に大行列ができる。もうこのような状態が、4〜5年は続いており、6時間待ちの日もあるという。1日に売れるおにぎりの数はなんと約1500個になるというから、驚かされる。
おにぎり1個の価格は350〜700円、平均すれば400〜450円で決して安くはない。しかし、大きさは通常のおにぎりの2倍ほど。米は新潟県関川村の岩船コシヒカリを使っている。驚くほどの具だくさんだから食べ応えがあり、人気を博している。コロナ禍でも、テークアウト需要があってほとんど影響がなかった。
近年はぼんごで修業した人が、独立して成功する例も増えている。「ぼんご流」のふんわりした食感で、サイズの大きな具だくさんのおにぎりを、すし店のようなカウンターで握り、出来たてを提供する店が目立つようになった。
主要な店には、東京だけでも板橋「ぼんご」、亀戸「豆蔵」、雑司ヶ谷「山太郎」など数多くある。ぼんごに類似した、いうなれば「インスパイア系」も増えている。大阪の「ごりちゃん」、福島県郡山市には大手外食クリエイト・レストランツが出店した「青田屋」などがある。
ドイツで起業した猛者もいて、日本のおにぎり文化を伝えているようだ。ドイツのみならず、フランスに英国、米国などでもおにぎりが流行の兆しを見せている。グルテンフリーであり、具材次第でビーガンも食べられるファストフードとして、欧米の健康志向のトレンドに刺さっているようだ。その意味で、ラーメンやすしに続く、世界的な日本食として広がる可能性がある、有望な食べ物の一つである。
コンビニでも、ぼんごにインスパイヤされた大きなおにぎりが目立つようになった。特にファミリーマートの商品にその傾向が強く感じられる。また、首都圏の駅前でテークアウトを主軸に展開する「おむすび権米衛」も店舗数を拡大しており、50店を超え好調だ。米国・フランスにも進出している。全国はおろか、世界へとおにぎり専門店が急速に広がっている。
コンビニおにぎりに「巨大化」トレンド たこ焼き、つけ麺風の変わりダネの登場も納得の背景
セブンの低価格おにぎりが販売好調 背景に「経済性」を求める声と、買い合わせニーズCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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