なぜ、値下げする商品を従業員の投票で決めることになったのか。担当者は「物価高騰で値上げが続く中、買い物が楽しいものではなくなってしまっているのを感じていた。企業が一方的に提案するのではなく、利用客に一番近い立場のパートやアルバイト従業員の声を聞くことで、本当に喜んでいただける値下げになるのではないかと考えた」と説明する。
投票について、従業員からは「本音を言っていいのか不安だった」という声が聞かれたという。「従業員としてではなく、お客として投票することに慣れていなかったため、感覚の切り替えが難しかった」と話す従業員もいたそうだ。
しかし、投票した商品が実際に値下げされたことを受けて、「本音で投票していい」と従業員の意識が変わった。その変化は投票率にも表れている。約2.3万人の従業員が参加した1回目の約60%、パートとアルバイト従業員のみが参加した2回目は約70%、3回目は約75%に増加した。
今では従業員から「お客さまの声を代弁する気持ちで投票している」という意気込みも聞かれるようになった。「徐々に遠慮もなくなり、消費者の声をストレートに代弁する投票結果に近づいているのではないか」(担当者)と感じているという。
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