自分で言うのもなんだが、これこそが今回の「失敗の本質」だと思っている。日産がここまで経営危機に陥ったのは、中国人や米国人のニーズと、「ハイブリッド人気」という社会の変化についていけていなかったことが原因だからだ。
日産が大規模なリストラに踏み切るというニュースが流れると、自動車愛好家の皆さんからは「当然だ、日産には乗りたいと思えるような魅力的な車がない」「昔の日産車に比べてデザインが悪くなった」など、さまざまな辛辣(しんらつ)なご意見が飛び出している。だが実は、今回の問題は日本人にはほとんど関係がない。
2024年度の上期決算報告を見ると、営業利益がここまで激減したのは前年同期に比べて1945億円のマイナスとなった「販売パフォーマンス」の低下によることが大きい。これは中国市場と北米市場が主たる要因だ。
2023年度の小売販売台数を見ると、日本は48万4000台、北米は126万2000台、中国は79万4000台。それが今回の決算で発表された「2024年度見通し」でどうなるのかというと、日本はほぼ横ばいの48万台、北米はプラス6.2%の134万台、中国がマイナス13.1%の69万台となっている。
要するに、日本人よりもはるかに日産車を買っていた中国人にそっぽを向かれてしまっているのが、「販売パフォーマンス」の低下につながっているのだ。
船井電機「給料払えません。即時解雇です」 社員が気づけなかった「3つ」の危険信号
衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由
なぜ「サマンサタバサ」はここまで追い詰められたのか 「4°C」との共通点
サイゼリヤの進化か、改悪か? メニュー削減と2000店舗拡大の裏にある戦略Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング