1億円売れた“宇宙服素材”布団 商品開発でやった3つのことテストマーケティングから見るプロダクトの近未来(1/3 ページ)

» 2024年11月30日 08時00分 公開

「テストマーケティングから見るプロダクトの近未来

企業の新商品・サービスの挑戦を支援するプラットフォーム、Makuake。ここでは日夜、新たなコンセプトを持った商品が企画され、ユーザーの厳しい目にさらされている。多くの支持を集めた商品にはどのような特徴があるのか。本連載では既に終了したプロジェクトを振り返り、成功の要因からプロダクト開発の近未来を探る。

 冬の到来とともに、私たちの生活に「寒さ」という切実な課題が立ちはだかっています。この時期ならではの市場動向や消費者ニーズの変化に、経営者やマーケティング、商品開発担当の注目が集まっているのではないでしょうか。

 今回は、「寒さ」や「睡眠」という身近な課題に革新をもたらした事例をご紹介しながら、ヒット商品の背景にある考え方をひもといていきます。

 寒い冬の夜は、羽毛布団に毛布を重ねて寝るのが一般的です。しかし、分厚い寝具は収納スペースを圧迫し、重いと寝苦しさの原因にもなります。この「かさばる」「重い」という課題に挑んだのが、繊維商社モリリン(愛知県一宮市)の掛け布団です。

たった3センチなのに暖かい(提供:マクアケ、以下同)

 この商品は、宇宙服にも使われる断熱素材「エアロゲル」を採用し、たった3センチの薄さで高い保温力を実現しています。「羽毛布団+毛布+カバー」以上の暖かさを1枚で提供し、自宅で洗濯できる手軽さも備え、省スペースを好む現代のライフスタイルに適応しています。発売初年度から反響を呼び、Makuakeでは過去3年連続で売り上げ1億円を超えました。

エアロゲルを採用
宇宙服にも使われる断熱素材

著者プロフィール:松岡宏治

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株式会社マクアケ プロジェクト推進本部 執行役員

1992年生まれ。2015年早稲田大学卒業後、ITベンチャー企業を経て、2016年に株式会社マクアケへジョイン。マクアケ関西支社二人目の社員として、立ち上げに参画し事業拡大に貢献。その後福岡、名古屋、広島、金沢に拠点を立ち上げ、全地方拠点の管轄を務める。現在は東京本社でプロジェクト推進本部全体の管轄をしつつ、自らも各地方へ足を運んでいる。過去、国内メーカーのプロジェクトを中心に2000件以上のプロジェクトを担当。

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