更年期障害の中年社員と、どう向き合う? 経済損失は「男女で3.4兆円」女性だけの問題ではない(2/3 ページ)

» 2024年12月25日 07時00分 公開
[大久保崇ITmedia]

女性4割、男性7割が症状の「自覚なし」 空調や季節の変わり目がツライ

 パーソル総合研究所が2024年7〜8月に実施した調査によると、40・50代の正社員における更年期症状の保有率は女性で44.5%、男性で37.2%に上った。症状レベルは「なし」「軽度」「受診推奨/中程度」「要長期治療/重度」の4区分に分類され、女性の約1割が要長期治療、男性の約1割が重度レベルに該当する。

更年期 支援の対象となる従業員は少なくない

 さらに、要長期治療レベルの女性の4割強、重度レベルの男性の7割弱が、自身の症状を更年期によるものと自覚していないという。「症状を自覚していない人は、セルフケアの必要性も認識していない可能性がある」(砂川氏)

 症状の程度が強いほど仕事への支障も大きく、月6〜12日、1日4〜5時間の影響が出る実態から、年に数日の休暇付与以外の支援策が必要だ。

更年期 女性も男性も、更年期症状を自覚していない人が多い
更年期 女性、男性ともに症状が軽度であっても生産性は5割台まで落ち込む

 症状がつらいタイミングを聞くと、男女ともに「多忙な業務に追われているとき」が最多だった。女性の2位には「空調の温度が合わないとき」がランクインしており、冷えや発汗・ほてりに対応できる就労環境の重要性が分かった。

更年期 症状がつらいとき

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