2024年は、アニメ・漫画・キャラクターなどを主軸にした日本のエンタメ大手企業が順調に事業を成長させた年でした(関連記事:日米韓で異なる「IPビジネス」の稼ぎ方 軒並み好調のエンタメ企業を分析)。
そして、エンタメ領域では、次のエンタメコンテンツを作るべく、スタートアップが新しいテクノロジーやメディアを活用した取り組みを活発化しています。
生成AIはコンテンツ制作の形をどのように変えていくのか――。コンテンツIPビジネスを国内外で手掛けるMinto(東京都港区)代表取締役の水野和寛が解説します。
株式会社Minto代表取締役。
一般社団法人ライセンシングインターナショナルジャパン理事。
前職で国内最大級のデコメやゲーム等の事業を牽引後、株式会社クオン設立。キャラクター・スタンプで世界60億超DL。2021年にSNS漫画で国内最大級のwwwaapと経営統合し、株式会社Mintoに。 統合後新たに立ち上げたWeb3、Webtoon、メタバース領域の事業も成長中。
OpenAI社の動画生成AIの「Sora」がついに2024年12月10日に正式リリースされました。今年2月に発表されてから、一部のクリエイターやスタジオが限定&先行して利用する機会を得ていましたが、正式リリース後は、ChatGPT の有料プランの「Plus」(月額20ドル)と「Pro」(月額200ドル)のユーザーであれば、誰でもSoraが利用できます。
Sora以前に、昨年は、Midjourneyに代表される画像生成AIによる高精細な写真やイラストなどのAI画像に注目が集まり、さらにそれらの画像を元に、さまざまな動画生成AI(RUNWAY GEN-3、Kling、Luma、DreamMachineなど)を駆使して数秒の動画を作り、それらをSNSに投稿するクリエイターも一気に増加しました。AIで作成した動画のコンテストなども開催され始めています。
Sora(pro)では、最大20秒間、1080p、30fpsの動画が生成でき、気に入ったシーンを分離したり、差分を生成して伸ばしたり、シーンごとに分割したり、ループ動画を作成したりできます。他の動画生成AIもそれぞれの強みがありますが、総合力で優れたSoraを利用するユーザーが増えて、クオリティーの高い作品が生まれてくることが予想されます。
これらの作品の音声や音楽にも当然ながら、生成AIによるコンテンツ作りが活用されるケースが多く、もはや定番化してきた楽曲生成AIのsunoを活用することで、映像から音楽まで1人のクリエイターのセンスだけで完結する可能性を示しています。
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